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銀行の貸出の利ザヤは驚きの低さ!

執筆者: ginko 発行日付: 2019-09-11

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「混迷を極めるブレグジット問題の影響で、イギリスの通貨であるポンドは大きく下がっています。今、ポンドは投資のチャンス?」では・・・

1位:分からない、興味ない 50%
2位:投資のチャンスではない 25%
3位:投資のチャンス/投資を検討している 13%
〃 :投資のチャンス/投資はしない 13%

となりました。1位は「分からない、興味ない」で5割ですね・・・やはりポンドはちょっと敷居が高いかもしれません。

他方、それ以外では投資のチャンスと考える方と、投資のチャンスではないと考える方が拮抗しています。確かにその判断は難しいですね。

ちなみにこの1週間で、「ハードブレグジット=合意なき離脱」は法的にダメとなり、さらに解散総選挙も野党が応じないという、何が何でも離脱を目指すジョンソン首相にとっては八方塞がりの状態になっています。

こうした動きをイギリスの有権者がどう判断するかですが・・・「議会=抵抗勢力」という認識が広がっていくと意外とジョンソン首相への支持率は高まっていくのかもしれません。

有権者にとってみれば「そろそろハッキリさせてくれ」という気持ちもありそうです。それはEUや金融関係者、投資家にとっても同じことだと思いますが・・・。

なおこのような「ハードブレグジット封じ」の動きを受けて、ポンドの動きはどうなっているかと言うとこうなっています。



少し上昇しているわけですね。やはり金融市場が求めているのは「合意ある離脱」もしくは「撤回」ということですか・・・。果たしてブレグジットとポンドの行方はどうなるのでしょうか。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは10月4日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=720

〔前回のコラム〕
今、ポンドは投資のチャンス?


 --- Ginkou ---

国内銀行111行 2019年3月期決算「総資金利ざや」調査
http://www.tsr-net.co.jp


国内銀行111行の2019年3月期の「総資金利ざや(中央値)」は、0.14%だった。前年同期(0.15%)より0.01ポイント低下し、2010年3月期以降、過去最低の2017年3月期(0.13%)に次ぐ、2番目の低さとなった。

2010年3月期の「総資金利ざや」は0.27%だった。その後、総資金利ざやは年々低下を続け、2015年3月期には初めて0.20%を下回った。さらに、2016年2月に日本銀行がマイナス金利を導入した後の2017年3月期には、総資金利ざやが0.18%から0.13%へ急激に低下した。2018年3月期には、貸家向けなどの不動産への貸出やカードローンなど貸出金利が確保できる融資を伸ばしたことで総資金利ざやは上昇に転じた。しかし、2019年3月期には投資用不動産向けなどの融資の抑制などで再び総資金利ざやは低下に転じた。

「資金運用利回り」の中央値は1.05%(前年同期1.08%)で、前年同期よりも0.03ポイント低下。111行のうち、93行(構成比83.7%、前年同期91行)で、「資金運用利回り」が低下した。

一方、「資金調達原価」の中央値は0.90%(前年同期0.96%)で、前年同期より0.06ポイント縮小した。111行のうち、100行(構成比90.0%、前年同期106行)で、「資金調達」が縮小した。このことから、「総資金利ざや」の拡大は、資金調達コストのダウンによる部分が大きい。

111行の2019年3月期で「総資金利ざや」がマイナスになった「逆ざや」は、14行(大手行2行、地方銀行7行、第二地銀5行)だった。前年同期の16行より2行減少したが、2010年3月期以降の10年間で3番目に多かった。

2019年3月期の「逆ざや」14行のうち、2年連続で「逆ざや」は10行だった。内訳は、大手行が2行(みずほ銀行、あおぞら銀行)、地方銀行が4行(筑波銀行、清水銀行、三重銀行、近畿大阪銀行)、第二地銀が4行(大東銀行、東京スター銀行、名古屋銀行、島根銀行)。

※抜粋

〔 出典:東京商工リサーチ 〕

 --- Ginkou ---

マイナス金利政策によって銀行の運用環境はますます厳しくなっているという話はよく聞きますが、では実際に銀行の運用実態はどうなっているのでしょうか?

それが垣間見えるのが東京商工リサーチによる「総資金利ザヤ」調査ですね。利ザヤ=貸出金利-預金金利ということで、銀行の本質的な収益源と言えます。

では2019年3月期の実績はいくらかと言うと・・・何と0.14%!低い!!低いですね・・・。

これは言い換えれば取引先1,000社のうち、2社が破綻してしまえば赤字になる計算ですね。もちろん実際には担保も取っているのでしょうし、破綻したとしても残るお金が全くゼロということはないにせよ、「貸出の余裕が全くない状態」であるのは間違いなさそうです。

もちろんそれでも銀行とすれば融資先を見つけて何とか融資していくしかないのでしょうけれど。

ちなみにこの総資金利ザヤの推移はこのようになっています。

やはり2016年のマイナス金利政策発動以降にガツンと低下していることが分かります。



もしこれで再びリーマンショッククラスの金融危機が訪れれば融資先もバタバタと倒産するのでしょうから、ドエライことになりそうですね・・・。

ただ一方で利用者の目線に立ってみればこれほど「融資がお得」になったことはかつてないわけですね。「じゃあとりあえず借りてみよう!」といった安易な借入をお勧めするわけではありませんが、住宅ローンなどライフプランの上でどうしても必要な借り入れについては今が絶好のチャンスであるのは間違いありません。

なお同じく利用者の目線に立てば、上記記事で指摘されている「逆ザヤ=運用がマイナス」という銀行はある意味、身を削って顧客に還元しているわけですから「」と言えます(笑)。具体的に名前が出ているのは以下銀行ですね。

・みずほ銀行
・あおぞら銀行
・筑波銀行
・清水銀行
・三重銀行
・近畿大阪銀行
・大東銀行
・東京スター銀行
・名古屋銀行
・島根銀行

こうして実際に銀行名を聞くと、「逆ザヤ銀行=高金利」ということはなさそうですが、それでもあおぞら銀行東京スター銀行の預金金利は相対的に見れば高水準ですね。「銀行の利ザヤ」という観点から言ってもお得なのは間違いなさそうです。

もちろん中長期的な取引を考えれば利ザヤを黒字化した上で高金利を提供してくれれば最高なのですが・・・。

ということで今回の読者アンケートは、「マイナス金利政策などに伴う金利低下で銀行の利ザヤは0.14%と史上最低水準まで低下していますが、顧客として歓迎する?歓迎しない?」でいきましょう。投票は10月11日まで。

■【読者アンケート】マイナス金利政策などに伴う金利低下で銀行の利ザヤは0.14%と史上最低水準まで低下していますが、顧客として歓迎する?歓迎しない?(10月11日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=725



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