まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「現在の赤字の状況を考えると消費税が20%くらいまで上がらないと財政の黒字化は難しそうですが、あなたは消費税何%までOK?」では・・・
1位:税率10% 46%
2位:むしろ税率5% 23%
3位:むしろ税率8% 15%
4位:税率20% 8%
〃 :税率25% 8%
となりました。1位は「税率10%」で5割ですね!アンケート開始当初は少なかったような気もしますが、実際に10月1日が近づくにつれて受け入れていったという感じでしょうか・・・。
ただ仮に「増税されても結局は受け入れる」ということなのであれば、財政再建には朗報と言えそうです。「増税+歳出削減+消費喚起」の合わせ技で1日も早くプライマリーバランスの黒字化を達成してほしいものです。
ちなみにこのようにジワジワ消費税が増えていく中で、今後ますますオークションやフリマアプリと言った個人間の売買が広がっていくのでしょうね。個人間の売買は基本的には消費税はかかりませんから。
上記の「消費喚起」という点ではネガティブインパクトがあるかもしれませんが、まぁでもそれも1つの成熟型社会のあるべき姿という気もします。浮いたお金を別の消費に回せばいいのですしね。
それはともかくとしてようやく増税が決まったわけですから、次は「歳出削減」ですね。無駄遣いをやめ、本当に必要なものだけに絞り込んでいく必要があります。
もちろんその過程においては我々自身も「痛み」を感じることになるわけですが、それは仕方ありません。我々有権者も「痛み」を受け入れ成熟していかないといけない、ということですね・・・ない袖は振れません。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは10月25日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=734
〔前回のコラム〕消費税は何%までOK?
--- Ginkou ---
埼玉りそな銀、初の首位 リテール力調査、接客力を評価
https://www.nikkei.com/
日本経済新聞社と日経リサーチは全国114の銀行を対象に第15回「銀行リテール力調査」を実施した。首位は埼玉りそな銀行だった。店頭での顧客対応で高い評価を得た。2位はりそな銀行だった。
調査員が実際に店舗へ出向き、接客姿勢や説明能力を覆面で調べた。商品内容などのアンケート調査も加えて、店頭サービスと商品充実度を点数化し、300点満点で順位を付けた。
初の首位となった埼玉りそな銀は接客を磨く地道な取り組みが評価につながった。りそな銀は元本の95%を保証する投資信託などの商品づくりが奏功した。
3位はみずほ銀行、4位は池田泉州銀行、5位は4月に関西アーバン銀行と近畿大阪銀行が合併して誕生した関西みらい銀行だった。
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
今年も秋口に入り、恒例の日経新聞による「銀行リテール力調査」が発表されていますね。まだ内容はあまり見ていませんが、今年も昨年のコラムの内容をそのままコピペできるでしょうか?(笑)
ということで気になる順位は今年はこのようになっております。( )内は前年の順位ですね。
1位(4位) 埼玉りそな銀行
2位(圏外) りそな銀行
3位(圏外) みずほ銀行
4位(圏外) 池田泉州銀行
5位(圏外) 関西みらい銀行
結果はいつもと同じなので「コピペでいけるなー」と思う一方で。
今回は6位以下は発表されていませんし、前年の順位も記載されていません。日経新聞もついにやる気を失ってきたんですかね・・・。
やる気を失ったのなら、こんな意味のないランキングはもうやめてしまってもいいと思いますが!
それはともかくとして、今回の1位:埼玉りそな銀行、2位:りそな銀行、3位:みずほ銀行という「メガバンクそろい踏み」という結果は読者のみなさまの実感に合うでしょうか?
毎回書いていることですが、これが名前の通り「銀行リテール力」、つまり「銀行の個人向けサービスの総合ランキング」ということであれば筆者は賛同できません。筆者が普段利用している銀行でランクインしている銀行は・・・今年は1つもありません!
当サイトで人気の高い銀行と言えば例えば住信SBIネット銀行やオリックス銀行などがありますが、これらは上記ランキングでは影も形もありません。
なぜかと言えば・・・このランキングが「店頭サービスや金融商品の充実度を比較」した調査であって、リアル店舗を展開していないネット銀行は含まれないからです。しかし今時、リアル店舗における店頭サービスってそんなに重要なのですかね!?
少なくともこのランキングは「リテール力」を総合的に調査したものではなく、あくまで「銀行の店頭でのサービス力」を調査したものに過ぎませんので、誤解を生むような表現はやめ、ぜひ内容に即した分かりやすいもの、例えば「銀行店頭サービスランキング」などに変更していただきたいと思います(と、申し上げ続けて10年以上となります)。実際、点数配分もこのようになっています。
・店頭サービス:200点
・商品充実度:100点
加えてさらに興味を失わせるのが、調査結果の信憑性の低さです。どうにもこうにも違和感を感じるのは毎年そうですが、前年からの順位変動の激しさですね。過去4年のランキングを振り返るとこうなっています。
<2018年>
1位(22位) イオン銀行
2位(12位) 三井住友銀行
3位(17位) 池田泉州銀行
4位(6位) 埼玉りそな銀行
5位(31位) 伊予銀行
6位(4位) 三菱UFJ信託銀行
7位(8位) 西日本シティ銀行
8位(1位) 三井住友信託銀行
9位(13位) ゆうちょ銀行
10位(10位) スルガ銀行
<2017年>
1位(9位) 三井住友信託銀行
2位(5位) 横浜銀行
3位(6位) みずほ銀行
4位(8位) 三井住友信託銀行
5位(12位) 三菱UFJ銀行
6位(4位) 埼玉りそな銀行
7位(26位) 常陽銀行
8位(23位) 西日本シティ銀行
9位(24位) 群馬銀行
10位(7位) スルガ銀行
<2016年>
1位(2位) 三井住友銀行
2位(8位) りそな銀行
3位(14位) 池田泉州銀行
4位(6位) 埼玉りそな銀行
5位(23位) 横浜銀行
6位(5位) みずほ銀行
7位(4位) スルガ銀行
8位(16位) 三菱UFJ信託銀行
9位(27位) 三井住友信託銀行
10位(22位)千葉銀行
10位(1位) 新生銀行
<2015年>
1位(12位) 新生銀行
2位(4位) 三井住友銀行
3位(-) イオン銀行
4位(36位) スルガ銀行
5位(5位) みずほ銀行
6位(11位) 埼玉りそな銀行
7位(48位) 広島銀行
8位(1位) りそな銀行
9位(30位) 近畿大阪銀行
10位(37位)常陽銀行
昨年1位のイオン銀行も、昨年2位の三井住友銀行も、昨年3位の池田泉州銀行もあっさり圏外です・・・。ちなみに1位だけを振り返ると毎年、こうなっています。
・2015年1位:新生銀行 → 2016年10位
・2016年1位:三井住友銀行 → 2017年圏外
・2017年1位:三井住友信託銀行 → 2018年8位
・2018年1位:イオン銀行 → 2019年圏外
では新生銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、イオン銀行は1位を取ったら慢心してサービスが低下してしまったのでしょうか?・・・もちろんそんなことはありませんね!前年も翌年もほとんどそのサービス内容に変化はないはずです。
要するにそれだけ調査手法がいい加減だと言うことです!
ということは今年1位の埼玉りそな銀行も来年には圏外となるのは間違いありません。
さすがに日経新聞の記者も居心地の悪さや恥ずかしさを感じないのですかねぇ。感じないからこそ毎年同じ内容の意味のないランキングを垂れ流しているのでしょうけれど・・・。
軽減税率の対象に新聞が含まれたこともそうですが、メディアは本当に自分に甘いです。「決して反省してはならない。自己批判してはならない。」と徹底的に教え込まれるのでしょうか。
いずれにしても客観的に「リテール力」を数値化していれば、これほどまでに激しい順位変動が毎年繰り返されることはありえません。
ただ調査側をフォローしておくと、調査手法が手抜きだとか、適当な気持ちでやっているとは思いません。調査方法は「調査員が店舗に出向いて、窓口での接客姿勢や金融商品の説明能力などを覆面で調査した」とのことで、真面目に時間をかけて調査しているのだと思いますが、それでもやはり、こうした主観的な評価を数値化して、客観的に統計的に順位付けするのは難しいということですね。
そもそも、接客してくれる担当者によって、当然接客サービスの品質にはバラツキが出てきます。要は「当たり外れ」があるということです。
加えて、調査員と担当者との「相性」も当然、評価に影響してきます。これは優劣の問題ではありませんので、客観的な評価をより難しくさせますね。
こうした不確実性を排除するためには、相当な人数での調査を実施したり、あるいは「同じ人が調査をする」といったことが求められますが、現実問題としては費用的にも時間的にもなかなか難しいのかもしれません。
それならそれで冒頭ご案内したように「やめてしまう」のも一計だとは思いますが。
そんなわけで筆者はこの結果を全く信用していません。繰り返しになりますが来年も1位が入れ替わり、上位銀行の顔ぶれもガラっと変わると断言できます。
仮に今後、毎年順位がそれなりに安定してくるようになれば・・・いよいよ調査手法が改善されてきたということになるのでしょうね。
なお、こうした結果のブレはあくまで「数値化しにくい店頭サービスの品質」を順位付けする際の話であって、「金利」や「手数料」、「商品力」、「利便性」といった「本来の意味の銀行リテール力」については、もっと客観的に計測できるものであり、その結果や優劣、順位はもっと固定的なものになるとは思います。
実際のところ、当サイトのアンケート結果を見ても上位の銀行の順位はほぼ安定しています。そうした点ではやはりそろそろ調査手法を抜本的に見直す時期に来ているのではないでしょうか・・・と言い続けてこちらも10年以上ですが、どうぞご検討ください。
では今回の読者アンケートも例年に倣い、「日経新聞が実施した2019年銀行リテール力調査では、1位:埼玉りそな銀行、2位:りそな銀行、3位:みずほ銀行という「メガバンクそろい踏み」の結果となりましたが、この結果に納得できる?」でいきましょう。投票は11月2日まで。
■【読者アンケート】日経新聞が実施した2019年銀行リテール力調査では、1位:埼玉りそな銀行、2位:りそな銀行、3位:みずほ銀行という「メガバンクそろい踏み」の結果となりましたが、この結果に納得できる?(11月2日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=739
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