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Google銀行で既存の銀行は終わる?

執筆者: ginko 発行日付: 2019-11-20

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「野党は「桜を見る会」が首相の後援会行事になっていると批判を強めていますが、あまりにもどうでもいい疑惑に思えてしまいます。あなたの印象は?」では・・・

1位:どうでもいい疑惑 73%

2位:どうでもよくない疑惑 18%
3位:どちらとも言えない、内容次第 9%

となりました。1位はやはり「どうでもいい疑惑」で約7割ですね。筆者も同感です。

報道によれば「桜を見る会」に出席された1万8,200人の中に、800人強の首相の後援会員が含まれていたようですが、わずか800人ですからねぇ・・・。

批判の骨子は「税金を使って後援会を優遇するとは何事か!」という点なわけですが、前回のコラムでもご案内したようにこの800人が参加しても参加しなくても5,000万円前後の運営コストが減ることはないと思います。とすると「税金を使ったかどうか」自体がそもそも曖昧ですね。

桜を見る会そのものが税金の無駄遣いだ!」という指摘であればよく分かりますし、筆者も全く同意しますが、野党の主張はそうではなさそうですので、やはり「どうでもいい疑惑」ですね・・・。

少なくとも年間7,000万円以上のコストがかかる国会議員が何人も集まって何時間も空費するような話ではありません。その費用を使って何度も「桜を見る会」が開催できてしまいます。

もちろん政権運営に当たって「不公平」などと思われないよう細心の注意を払う必要があるのであって、その点では今回の件も「問題なし」とはしませんが、しかしそれにしても「どうでもいい!」という印象は1週間経っても全く変わりません。

野党の党利党略は分からないでもないですが、やはりもっと大局的な議論や提案を聞きたいものです。「お花見」に興じている限り政権交代の可能性を1mmも感じません

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは12月13日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=767

〔前回のコラム〕
桜疑惑って一体・・・


 --- Ginkou ---

米Googleが銀行口座サービス シティと連携、20年にも
https://www.nikkei.com/


米グーグルが米銀大手シティグループと組み、グーグル利用者向けの銀行口座サービスを2020年にも始める方針であることが13日、分かった。シティが日本経済新聞に明らかにした。「GAFA」と呼ばれる米IT(情報技術)大手が消費者の金融情報を取り込もうとする動きが加速している。

シティがグーグルの利用者向けに専用の銀行口座を提供する。グーグルはシティの他に、スタンフォード大関係者向けにローンなどを提供する信用組合とも提携する。同組合はグーグルと同じシリコンバレーに本社を構える。

銀行業務は免許が必要だが、グーグルは免許が必要な業務はしないとしている。預金の管理や貸し出しの審査、資金洗浄(マネーロンダリング)対策、規制対応の業務などはシティや信用組合が引き受けるとみられる。

グーグルは既にスマートフォン決済「グーグルペイ」を始めており、金融から買い物まで利用者の生活に密着したサービスの幅を広げる狙いがある。シティにとってはこれまでアプローチできなかった新規顧客を開拓でき、預金の獲得やローン利用者の増加が見込める。

グーグルを通じて口座を開設した利用者の情報を、グーグルやシティがどう共有し利用するのかといった具体的な仕組みは不透明だ。グーグルは、「グーグルペイ」で得た決済データについて、広告主と共有していないとしている。

GAFAと金融は互いの機能を補う形で連携する動きを強めている。米アップルは8月、ゴールドマン・サックスと提携してクレジットカード「アップルカード」の提供を始めた。カードの発行はゴールドマンが手がける。18年にはインターネット通販大手アマゾン・ドット・コムが米大手銀JPモルガン・チェースなどと組み、同様の銀行サービスの提供を検討していることが報じられた。

米銀大手は金利の低下で預金と貸出金利の差である利ざやが縮小。長期的な金利収入の低下が懸念されるなか、新たな収入源を模索している。

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

ちょっと読み流してしまっていましたが、上記記事の通りGoogle銀行口座サービスを提供する方針だそうです。

Googleとしてはさらなる顧客データが得られるわけでメリットは大きいですね。よりタイムリーな広告配信や、自社サービスの提供ができます。

またユーザーとしても一々銀行サイトにログインするのは面倒ですから、Googleアカウントを使って、Googleアプリの中で銀行サービスを利用できるのであれば利便性という観点からメリットが大きいです。

送金先についてもGoogleアカウントで指定できるようになればラクチンですね。

となるとwin-winになるわけですから、「フィンテック」に絡ませ「既存銀行の終わり」と結びつける人が多いですが、恐らくそれは3つの観点から違うと思います。

まず1つ目は、このGoogle銀行サービスが端的に示すように、顧客の口座自体はシティバンクという既存の銀行が提供するわけですから、あくまで「既存の銀行ビジネスの延長線上にある」という点です。

口座そのものを銀行が管理するのであれば「銀行の終わり」とはなりませんね。

ではGoogleが銀行口座そのものを提供するかと言うとそれはないと思います。金融インフラを築くのには時間もコストもかかりますし、さらに自前でやればがんじがらめの規制を受けることになるわけで、そうした負担を受けいれることはなさそうです。

2つ目は、決済サービスに特化する限り顧客メリットは限定的で、「顧客がこぞってGoogle銀行に資金を移す可能性は低い」という点です。今や銀行振り込みだけでなく、クレジットカード決済や、電子マネー、コンビニ振込など、決済サービスは多様なものが提供されています。

また個人間同士の振込の機会が恒常的にある方は少ないと思います。

つまり、確かにGoogle銀行は便利だけれど、時々使えば十分で、メインバンクにはなり得ないということです。メインバンクになるには給与受取や料金引き落としなどの機能に加え、預金金利の高さなどの本質的な価値が必要になってきます。

3つ目は、ここが最も大事なポイントですが、銀行にとって収益の源泉は「融資」であって、「決済サービスをいくら浸食されても痛くも痒くもない」という点です。むしろ今や決済サービスは赤字かもしれませんしね・・・。

フィンテックが決済サービスを乗っ取ると銀行は終わる、みたいな論調を見ると申し訳ないですが「分かってないなー」と思ってしまいます。

今回のように口座そのものはシティバンクが提供するなら尚更ですね。

逆に言えばフィンテックによっていよいよ「融資」が侵食されるという話なら別ですが、少なくとも日本のように「低金利×低利ザヤ×過当競争」の状況ではフィンテックが融資ビジネスに参入する余地はなさそうです。

だから既存の銀行は安心してくださいね」と言いたいわけではありませんが・・・。

では今回の読者アンケートは、「Googleがシティバンクと組んで、銀行口座サービスを提供する計画があるようですが、Google銀行byシティバンクは魅力的だと思う?」でいきましょう。投票は12月20日まで。

■【読者アンケート】Googleがシティバンクと組んで、銀行口座サービスを提供する計画があるようですが、Google銀行byシティバンクは魅力的だと思う?(12月20日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=771



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