まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「各調査機関が2019年冬のボーナスの支給見込み額を発表していますが、全体的には昨年の冬のボーナスから少し減る予想です。あなたのこの冬のボーナスは増えそう?減りそう?」では・・・
1位:減りそう 42%
2位:ボーナスはない 33%
3位: 変わらない 17%
4位:増えそう 8%
となりました。1位は「減りそう」で約4割ですね。2位は「ボーナスはない」で約3割となっており、切ない結果ですね・・・。
逆に「増えそう」はわずか1割です。
ただ前回のコラムでもご案内したように今年の冬のボーナスは製造業を中心に全体的にも減少予想となっていますので無理もないことだと言えそうです。
ちなみにその後の日経新聞の調査ではこのようになっています。
・全産業の1人当たりの税込み支給額(加重平均)は7年ぶりに減少に転じ18年冬比0.99%減の84万293円だった。企業の業績悪化を反映し、米中貿易戦争の影響で電機や化学など製造業の落ち込みが響いた。
・上場企業の今年4~9月期の純利益は前年同期比14%減と3年ぶりの減益だ。減益幅が大きかった製造業の支給額は1.53%減と3年ぶりのマイナスとなった。
・一方、非製造業は1.17%増と5年連続で前年を上回った。情報・ソフトや建設などが伸びたが、従業員数の多い百貨店・スーパーや陸運が支給額を減らしたことで、非製造業全体の伸び率はこの5年間では最も小さかった。
やはり減少するということですね。実に7年ぶりということですから、逆にこれまで如何に好調だったかが分かります。
とは言いつつこちらの調査でも非製造業はプラスということになっています。
日本経済と言えば「加工輸出国」のイメージがありますが、実際にはその中身はインバウンドの好調などによって徐々に変化していっているのでしょうね。製造業だけでなく非製造業も伸びていってほしいものです。
いずれにしても期待通りだったかどうかはともかくとして無事にボーナスが支給された方は有意義にご活用ください。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは1月4日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=781
〔前回のコラム〕2019冬のボーナス、増える?減る?
--- Ginkou ---
LINE、決済進化へ布石 銀行振り込み可能に 手数料2割安
https://www.nikkei.com
LINEは9日、スマホ決済「LINEペイ」で個人や企業の銀行口座への送金サービスを始めたと発表した。もともとLINEペイの利用者同士の無料送金は可能だった。LINEによると、決済アプリから他人の銀行口座へ振り込めるサービスは同業では初めてという。手数料は1回176円と、大手銀行(同220円)よりも割安だ。
PayPay銀行の即時振り込みサービスを通じて送金する。同行の手数料は振込額3万円未満まで176円で、LINEも同じ額に抑えた形だ。「あまり利益は見込まず、利用しやすい金額に設定した」(同社)。振り込み上限は1日10万円まで。
目新しさは手数料だけではない。口座番号が分からない相手にもLINEのスマホアプリから振り込みが可能だ。電話番号やメールアドレスを入力し、金額を指定すると、相手にメールなどで振り込みの通知が届く。相手が振り込み内容を確認し、口座の番号を入力すると振り込まれる。
日銀の調査によると、現金以外の決済においてネット銀行の振り込みの利用は全体の14%にとどまる。LINEの新サービスで、若年層のネット銀の利用が増える可能性がある。
LINEの新サービスの背景にあるのはスマホ決済の還元競争の激しさだ。LINEの月間利用者数は約8200万人。このうちLINEペイの登録者数は45%で伸びしろはありそうに見える。
だが6月末に490万人だったLINEペイの月間利用者数は、9月末に286万人に減った。4~6月はマーケティング費用に約100億円を投じて大規模な資金還元策を展開したが、終了後は消費者が離れた。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
またまた筆者が時代から取り残されそうなサービスがスマホ決済ですね。アカウントにお金をチャージしておいて、支払いの時にスマホを操作してQRを見せればそれで支払いができるというものです。
決済に関してはクレジットカードか現金で十分な気もしますが、少なくともクレジットカードを持っていない学生には有効なサービスとなるのでしょうね。
加えて個人間の決済ではこうしたサービスは便利なのでしょう。銀行の口座番号を教えあう必要もありませんし、飲み会などの幹事がお釣りで四苦八苦することもないわけですからね。
それこそ1円単位までピッタリ計算することもできます。
ただ言い換えれば、筆者のようにクレジットカードを持っていて、最近めっきり大人数で飲むこともなくなった場合にはやはりその必要性がピンと来ない、というのが正直なところです。
そうした状況を勘案してかどうか、上記記事によればLINE社はLINEペイを通じて直接、他の人の銀行口座へ振り込めるサービスを始めたということです。それなら銀行口座から直接振り込んでもいいわけですし、1回あたり176円の送金手数料がかかるのも気になりますが、ただスマホからの操作性を考えると圧倒的に楽ではあるのでしょうね。
相手がLINEペイのアカウントを持っていなくてもいいというのも汎用性があります。果たしてこうしたLINEペイを始めとするスマホ決済は広がっていくのでしょうか?
記事内にもあるように一定の還元があれば利用者は増加するようですので、単なる利便性だけでなく、そうした顧客還元をどう提供していくのかは大きなカギとなるのでしょうね。裏返せばどのように収益をあげていくのかというビジネスモデルとも密接に結びつく話ですが。
なおこうした新たな決済の話になると「既存銀行の終わり」という話になるのですが、実際には既存銀行が顧客の口座を押さえている限りはそういうことにはならないですね。
そもそも決済サービスは基本的にはほとんど儲からないビジネスなので、そこがいくら奪われても既存銀行には痛くもかゆくもないと思います。
だから既存銀行は鷹揚に構えておけばよい・・・と言いたいわけではありませんが、「フィンテック」をメディアが過大評価している風潮は気になります。
では今回の読者アンケートは、「スマホ決済であるLINEペイが銀行口座に直接送金できるサービスを始めたとのことですが、スマホ決済を利用したことがある?今でも利用している?」でいきましょう。投票は1月11日まで。
■【読者アンケート】医療費抑制のために、75歳以上×年収370万円未満のゾーンについて、現状1割の自己負担を2割に引き上げようという案が出ていますが、こうした医療費自己負担引き上げに賛成?反対?(12月27日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=785
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