まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「日経新聞の社長100人アンケートでは、ビジネスがコロナ前に戻るのに2年以上という回答が6割近くとなりましたが、あなたは何年かかると思う?」では・・・
1位:1年 36%
2位:3年 27%
3位:2年 9%
〃 :4年 9%
〃 :5年以上 9%
〃 :戻ることはない 9%
となりました。1位は「1年」で約4割ですね。1年後にはワクチンもいくつか出来上がっているでしょうし、希望的観測という点でも筆者も「1年」派ですかねぇ。
さもないと多くの企業が倒産してしまうという危機感もあります。
実際この4月~6月決算では、JALや日産などが巨額の赤字を計上しています。こうした赤字が続くようであれば2年・3年と言われてしまうと絶対、持ちこたえられないですよね。
株価はこれまで力強く回復してきたわけですが、株式市場は、経済がコロナ前水準に戻るのは一体、何年後と思っているのでしょうね。
■日経平均
それは分かりませんが、ただ株価が今般のコロナリスクを正しく把握できているとはとても思えませんので、「第2波」が世界中で現実のものとなりつつある今、「二番底」「三番底」を試す可能性はそれなりにありそうです。
投資をされている方は株価の短期的な動きに一喜一憂せず、じっくり運用していきたいものですね。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは8月23日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=955
〔前回のコラム〕経済がコロナ前水準に回復するのはいつ?
--- Ginkou ---
FOMC後もドル安、2年ぶり低水準
https://www.nikkei.com
29日の外国為替市場では、米ドルが主要通貨に対して売られた。対ユーロでは反落し、1ドル=1.1805ユーロまで売られる場面があった。18年9月以来のユーロ高・ドル安水準だ。円相場も一時、1ドル=104台後半をつけた。米インターコンチネンタル取引所(ICE)が算出するドル指数は一時、93.16まで下がり、18年6月以来の低水準で推移する。
足元でドル安傾向が続いている。米議会で新型コロナウイルス対策の成立が遅れており、景気への悪影響が懸念されている。米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の長期化観測や米中対立の激化など、ドル売りにつながる材料が重なったことも大きい。
パウエルFRB議長は29日、FOMC後の記者会見で「できる限りの手段を使うことを約束する」と述べた。FOMCの声明文やパウエル氏の発言を受けて、市場は「景気が回復するまで強力な緩和を続けると受け止めた」(米プルデンシャル・ファインナンシャルのクインシー・クロスビー氏)という。
ドルの先安観が台頭するなか、マネーは金に向かった。ニューヨーク先物価格は中心限月の8月物が時間外取引で1トロイオンス1970ドル台まで上昇し、再び最高値を更新した。国家の信用力に依存しない「無国籍通貨」である金は、世界の基軸通貨であるドルの下落局面で代替資産として買われやすい。「カネ余り」で投機的な資金が流入している面もある。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
気が付けばじわじわと円高が進んでいますね。足元では104円台の円高となっています。
そもそも金融危機の際には大幅な円高が進むものですが、今般のコロナショックでは為替相場はなぜか安定的に推移しています。一瞬大幅な円高となりましたがすぐに元に戻りました。
ではなぜ円高が進まなかったかと言うと、リーマンショックとの違いで言えば
・コロナショックは経済危機ではあるが金融危機ではない。
・日本の「異次元緩和」が円高を阻止している。
と言えるのかもしれません。逆に言えば
・コロナショックが金融機関の破綻など金融危機に深化する。
・アメリカで日本を上回る金融緩和が行われる。
と言ったことがあれば、以前は普通だった80円台や90円台の円高もないわけではなさそうです。
翻って今回の円高(ドル安)の動きについては上記記事の通り「アメリカの金融緩和が長期化する」という見通しがベースにあるとのことで、どちらかと言うと後者が要因だと言うことですね。
筆者としては前者の金融危機が起こるかどうかが気になるところですが・・・それについては
・コロナ禍がいつまで続くのか。
・大企業が持ちこたえられるかどうか。
・金融機関が破綻せずにやり過ごせるか。
・各国政府が金融機関を最後まで守れるか。
にかかっているかと言えそうです。その点では秋のアメリカ大統領選挙でトランプ大統領が勝てるかどうかもポイントですね。仮に負けるようなことになると、民主党は金融機関に対して距離があるでしょうからリスクになってきます。
実際のところ負けそうではあるのですが・・・。
加えて、アメリカ議会の上下院の「ねじれ」も政治リスクとして意識されるかもしれません。
ただこのコロナショックで投資を再開した筆者にとって大幅な円高は「評価損」に直結する一方で、「安値で買えるチャンス」とも言えます。
1年くらいかけて余裕資金を投資していく予定ですが、もし円高になるなら早くなってほしいものです(笑)。
というわけで今回の読者アンケートは、「アメリカの金融緩和長期化観測などを受けて、為替相場は1ドル=104円の円高となっていますが、さらに円高になってほしい?なってほしくない?」でいきましょう。投票は8月30日まで。
■【読者アンケート】アメリカの金融緩和長期化観測などを受けて、為替相場は1ドル=104円の円高となっていますが、さらに円高になってほしい?なってほしくない?(8月30日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=960
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