まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「世論調査によれば菅政権の支持率は政権発足後最低ですが、自民党の支持率は盤石というねじれ現象が起きています。あなたは菅政権を支持する?自民党を支持する?」では・・・
1位:菅政権支持しない/自民党支持しない 45%
2位:菅政権支持する/自民党支持する 36%
3位:菅政権支持しない/自民党支持する 18%
となりました。1位は「菅政権支持しない/自民党支持しない」で約5割ですね。菅首相も自民党も不人気だと言うことです・・・。
加えて「菅政権支持しない」に絞れば6割を超えてきます。政権にとっても国民にとっても残念な状況です。
ただ実際のところは前回のコラムでもご案内したように自民党への支持は盤石ですし、野党の支持は低いままです。選挙が近いと思いますが、自民党が勝つのは間違いなさそうです。
我々の目が黒いうちに再び政権交代は起こるのでしょうか。
起こるとすればその芽は野党からではなく、与党分裂から芽吹くのかもしれませんね。小沢一郎氏が実現したように。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは9月19日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1244
〔前回のコラム〕菅政権支持する?自民党支持する?
--- Ginkou ---
富裕層増税 世界で模索 格差是正やコロナ後の財源 国内議論、衆院選控え低調
https://www.nikkei.com/
世界で富裕層への課税強化を模索する動きが広がっている。新型コロナウイルス危機で拡大が懸念される格差を税制で是正するとともに、危機後の経済立て直しをにらんだ財源を確保する狙いだ。経済協力開発機構(OECD)も相続税の改革を提言するなど政策論議が活気をみせるが、政治調整の難しさなど実現には課題も多い。
OECDが5月に発表した報告書によると、米欧日27カ国の平均値として上位10%の富裕層に富の半分が集中する。上位2割の富裕層がすべての金融資産の約8割を保有し、相続で受け継ぐ資産は下位2割の層と比べて50倍近い。
相続税や贈与税が税収全体に占める比率は平均0.5%程度。OECDエコノミストのサラ・ペレット氏は「資産価格の上昇が続き、ベビーブーム世代の高齢化が進めば、コロナ後に資産の不平等は加速し、教育格差にもつながる」と話す。
格差が大きい国の一部は動き出した。米バイデン政権は富裕層への最高税率を40%近くに引き上げるなどして、増収分を子育て・教育支援などに回す構想を打ち出した。アルゼンチンも20年末、富裕層の国内資産に課税する法案を成立させた。
日本は上位1%の富裕層が保有する資産が全体に占める比率は11%と先進国で最も低い。税収に占める相続税・贈与税の割合はOECD平均の2倍超で、両税の最高税率も55%と先進国で最も高い。財務省幹部は「富裕層への課税強化の増収効果は大きくない」とみる。
日本の課題はむしろ高齢者への資産の偏りが強まっている点だ。総務省の19年の調査では、世帯主が60歳代の世帯の平均資産残高は約1900万円で30歳代の3.6倍。若年層の非正規雇用の増加などで1999年時点で3倍だった差がさらに広がった。
中央大法科大学院の酒井克彦教授は「日本でも景気の先行きが厳しい状況下で低所得層や中間層に負担増を強いるのは難しい。金融所得課税の税率の引き上げや相続税、贈与税の一体化などの議論は必要だ」と指摘する。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
コロナ禍を受けて各国の財政出動も政府債務も天文学的な規模となっており、コロナが収束すればその返済財源をどうするのかという頭の痛い問題が出てきます。
それを解決するキーワードの1つが「富裕層への増税」ですね。上記記事の通り上位2割の富裕層がすべての金融資産の8割を保有しているということであれば、「そこから1割くらい税金払ってもよくない?」と思わないでもありません。
実際のところ各国の増税の試みはこのようにまとめられています。
アルゼンチンは「一度切りの富裕層増税」となっていますが、絶対一度切りではないですよね・・・。
ただ他方で日本の税制としては
・日本は上位1%の富裕層が保有する資産が全体に占める比率は11%と先進国で最も低い。
・税収に占める相続税、贈与税の割合はOECD平均の2倍超で、両税の最高税率も55%と先進国で最も高い。
と言うことで財務省幹部は「富裕層への課税強化の増収効果は大きくない」と指摘しています。
記事では日本の課題は「高齢者への資産の偏りが強まっている点」とのことですが、ただこれはどうなのでしょうね?世界共通な気がしますが、とは言え日本の場合、金持ち≒シニアであることは間違いなく(シニア=金持ちではありませんが)、また通常の歳出のほとんどが年金と社会保障に費やされていることを考えれば、「シニアが恩恵を受けている以上、シニアが負担すべき」というのは至極もっともだと言えます。
その場合、解決策の1つが消費税の増税ですね。シニアはリタイヤしていますので課税しようとすれば収入ではなく支出となります。
しかし消費税の増税は経済的にも政治的にも悪影響が大きいので、さらなる増税が難しいとなれば、「年金収入への課税」なども検討されるのですかね?
そもそも年金は一定レベル以下の生活水準の方への社会保障という形でも良いような気がしますが、今の制度設計だと年金=個人預金のようなものですので国家が奪うことはできません。
とすると「年金収入への課税」は一理ありそうです。
いずれにしても今後多少なりとも財政が再建されていくという夢はコロナによって完全に打ち砕かれましたので、どうやって国の借金を減らすのか、減らすのは難しいとしてもどうやって増やさないようにするのか、いよいよしっかり議論する時が来ています。
なおこういう話になると必ず「国の借金は国民の資産なのだからどんどん借金すればいい」「日本は最大の債権国なのだから大丈夫」「国債を買っているのは日本人だからデフォルトしない」と言った話が出てきますが、もちろん借金が膨らめば最後は財政破綻することになります。
日本の借金はほぼ日本円ですので円安がどんどん進行して、日本人が全員貧乏になっていくという状況になっていくものと思います。
それが嫌な人は海外に移住するか、金融資産の一部を海外に投資することでしょうね。
それはともかくとして今回の読者アンケートは、「<複数回答可>コロナ財源として各国では富裕層への増税が検討されていますが、どこから捻出すれば良い?」でいきましょう。投票は9月19日まで。
■【読者アンケート】<複数回答可>コロナ財源として各国では富裕層への増税が検討されていますが、どこから捻出すれば良い?(9月19日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1249
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