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SBIによる新生銀行の買収に賛成?反対?

執筆者: ginko 発行日付: 2021-09-15

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「新政権への期待から株価が上昇し、日経平均も3万円を超えてきましたが、新政権で株価は上昇する?しない?」では・・・

1位:株価は上昇する 56%
2位:分からない 33%
3位:株価は上昇しない 11%

となりました。1位は「株価は上昇する」で約6割ですね。なるほど。実際のところ足元では日経平均は大きく上昇しています。



これには総裁選への関心だけでなく、もしかするとコロナ新規感染者の減少傾向も加味されているような気もしますが、それはともかくとして半年以上足踏みが続いた株価が上昇したのは良いことですね。

ただ一方で総裁候補である、河野氏・岸田氏・高市氏の経済政策は今一つハッキリしませんし、また誰が総裁になったとしてもコロナ禍を考慮すれば

・積極的な財政出動

・積極的な金融政策

を続ける以外に方法はないと思います。増税もできないでしょうし。

つまりはこれまで通りアベノミクスが続いていくわけで、とするとやはりこのタイミングでポーンと株価が上昇する理由は、筆者にはほとんどないように感じます。

とは言いつつ繰り返しになりますが、デルタ株感染も見事に収束しそうであり、その点ではアフターコロナを見据え、株価がそろそろ上昇しても良いとは思います。

世論調査では河野氏の人気が断トツですが、議員票では岸田氏への支持も多そうで、意外と岸田総理の誕生もあるのでは?と感じています。

受け答えが安全運転に切り替わり始めた河野氏より、分配を強く訴える岸田氏の方へ人気が移る可能性もあると思います。

次の「日本の顔」はどちらになるのでしょうか。

この総裁選で一番株を上げたのは高市氏かもしれませんが。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは10月8日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1263

〔前回のコラム〕
新政権で株価は上昇する?


 --- Ginkou ---

新生銀、買収防衛策を検討 SBIに対抗 TOB期限 延長狙う
https://www.nikkei.com/


SBIホールディングスからTOB(株式公開買い付け)を受けている新生銀行が買収防衛策の導入を検討していることが14日、わかった。SBI以外の既存株主に新株を渡すもので、11月に開く株主総会の決議で発動する。SBI側の提案が企業価値の向上につながるか株主が判断する時間を確保するため、SBIに10月25日のTOB期限を延ばすよう促す狙いがある。

買収防衛策は週内にも開く取締役会で議論し、11月に開催を検討する株主総会で株主に発動の是非を問う。株主総会の決議なしに導入した場合、裁判所に差し止めを命じられる懸念がある。具体的なスキームとしては新株を渡す対象に「短期間で大量買い付けする株主を除く」といった条件を新たにつける。事実上、TOBを進めるSBIを排除するしくみになる。

SBIは9日にTOBで新生銀の発行済み株式の48%を上限に取得し、新生銀を子会社化する方針だと発表した。事前に新生銀行との協議はなく、10日から一方的にTOBを始めた。このため新生銀はSBI側の提案が企業価値の向上につながるか判断するのに時間がかかるとみている。

新生銀が検討しているのは、SBI以外の株主に新株を割り当てる買収防衛策だ。10月25日のTOB期限までにSBIが株式を買い集めても、株主総会で買収防衛策の発動が可決されれば、SBIの議決権比率は急速に下がる。

SBIにとっては株主総会前のTOB終了にリスクが残る。このため新生銀は11月の臨時株主総会で、買収防衛策への是非が決まるまでSBIが様子見をしてTOB期間を延長するとみる。

もっとも、新生銀にとっても他の株主が買収防衛策に賛同するかは見通せない。双方にとって時間稼ぎの要素が強く、新生銀はSBIに質問状を送りTOBの経緯や具体的な経営方針などの詳細を問う。新生銀はTOBに至った経緯について両社で見解の相違があるとみており、こうした質疑の往復に時間を要すると判断。買収防衛策の導入とあわせてSBIにTOB期限の延長を求めることで株主がTOBに応じるか判断する時間を確保する。

買収防衛策は平時に導入するのが一般的で、新生銀のようにTOB公表後に導入するものは「有事型」と呼ばれる。類似のケースでは、村上世彰氏が関与するファンドのTOBに対し、芝浦機械(旧東芝機械)が、事実上、同ファンド以外の株主に新株を割り当てる買収防衛策の賛否を株主総会に諮った例がある。買収防衛策は今年3月の臨時株主総会で可決され、ファンドはTOBの撤回を決めた。

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

先日のコラムでも少し触れましたが、SBIによる新生銀行へのTOBは「敵対的買収」であり、つまりはガチバトルなわけで、金融業界のみならず一般社会でもそれなりに注目を集めているのではないかと思います。

もともと新生銀行としてはSBIが嫌でマネックスと提携したのでしょうけれど、まさかそれがSBIによるTOBにまで発展するとは思っていなかったのでしょうね。

新生銀行の経営陣からすれば寝耳に水なのだと思いますし、SBIの北尾氏はアクが強く、筆者も正直言って氏の下で働くのはどうかなぁと思ってしまいますが、とは言え考えるべきは好き嫌いではなく株主価値が上がるかどうかです。

新生銀行がSBIグループに入ったとして株主価値が上がるのでしょうか?

・・・正直、微妙は微妙です。「地方銀行の中央銀行になる」というコンセプトは言葉は明瞭でも意味はよく分かりませんし、新生銀行には出来て、地方銀行には出来ないことがそれほど多くあるとも思えません。もしそんなものがあるなら新生銀行の業績はもっといいでしょうしね。

加えてSBIの提携先の銀行は失礼ながら小規模で成長が難しい銀行ばかりかと思いますので、そういう地方銀行と組んでも確かな成長戦略を描くのは難しそうです。

他方で、新生銀行がSBIグループに入ったとして株主価値が下がるかと言うとそれもなさそうです。

少なくとも重複している部門を削減できればコストダウンになりますし、SBI証券や住信SBIネット銀行とガッツリ提携すればやはりコストダウンが図れそうです。

そう考えると、新生銀行の経営陣からすれば断る理由はなさそうですね。逆に断る理由があるとすれば自分たちがクビになることくらいです。果たして新生銀行の経営陣は合理的な判断ができるでしょうか?

ちなみに預金者からすれば答えは簡単で、新生銀行は買収されない方がいいですね。独立していれば今の新生銀行のサービスはそのまま維持される一方で、逆に買収されればサービスが改悪される可能性が高いからです。リテール部門は赤字でしょうからね。

またもしかすると新生銀行がリテール部門から撤退したり、住信SBIネット銀行と統合されて消えてなくなる可能性すらあります。

いずれにしてもSBIに買収されて新生銀行のサービスがより良くなることはまずありませんので、やはり預金者としては「反対」ですね。

ただ株主からすれば、株主価値が全て、ではありますが。

では今回の読者アンケートは、「SBIによる新生銀行への敵対的買収=TOBが注目を集めていますが、あなたはSBIによる新生銀行買収に賛成?反対?」でいきましょう。投票は10月16日まで。

■【読者アンケート】SBIによる新生銀行への敵対的買収=TOBが注目を集めていますが、あなたはSBIによる新生銀行買収に賛成?反対?(10月16日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1268



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