まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「2023年はアメリカの利上げによって、株安&円高のWパンチとなりそうですが、年末の日本株・外国株は上昇していると思う?下落していると思う?」では・・・
1位:上昇 50%
2位:変わらず 30%
3位:下落 20%
となりました。1位は「上昇」で5割となっています。なるほど。先週も同じものを掲載しましたが、過去1年の日経平均はこうなっています。
全体的にはレンジ相場でしたが、年始→年末の1年で見ると右肩下がりですね。
次にこちらも再掲ですが、円建ての先進国株はこうなっています。
やはり右肩下がりです。
このように株価が下がった要因はもちろん「インフレ」と「アメリカの利上げ」ですね。
ではアメリカのインフレがどのように推移しているかと言うとこうなっています。
明らかに下がり始めています。こうした傾向を踏まえれば、今年、株価が上昇すると考えるのは自然なことかもしれません。
他方で、下がり始めているとは言え、インフレ率の水準自体は引き続き高く、アメリカの利上げはもう数回続きそうです。
となると、今年の前半はやはり株価には逆風が吹くことになります。株価が上昇するとしても年後半ですね。期待せず期待したいと思います。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは2月12日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1635
〔前回のコラム〕2023年、株価は上がる?下がる?
--- Ginkou ---
市場の弛緩、じれるFRB 金融引き締め長期化も
https://www.nikkei.com/
米国の政策金利の先行きを巡り、米連邦準備理事会(FRB)と市場参加者の認識のズレがあらわになっている。市場はインフレ鈍化の速度に着目し、最終的には景気の底割れ回避のためFRBが2023年中に利下げに転じると見込む。金利低下や株高で金融環境は緩み、インフレ抑制が難しくなることをFRBは警戒する。市場の楽観が金融引き締めの長期化を招き、経済への打撃が大きくなるジレンマが深まる。
「わたしはピボット・ガイ(政策転換する人)ではない」。9日、アトランタ連銀のボスティック総裁は政策金利を現在の4.25~4.5%から5~5.25%まで引き上げ、その水準に「長期間」とどめる考えを強調した。
他の連銀総裁も年明け以降、5%超まで利上げし当面維持する方針を表明している。22年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では「23年の利下げ開始が適切になると予想した参加者は一人もいなかった」とわざわざ明記。金融緩和に前向きなハト派方向へのピボットの否定に躍起になっている。
投資家はこのシナリオの実現を疑う。金利先物市場は23年前半に迎える政策金利の到達点が5%以下にとどまり、年内に0.25%の利下げを複数回実施する展開を織り込む。22年にFRBのタカ派傾斜に従って金利見通しを引き上げてきた市場はなぜ、見方を変えたのか。
「投資家はインフレの水準よりも減速ペースに注目している」(米運用会社リバーフロント・インベストメント・グループ)。22年12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が6.5%と6カ月連続で伸びを縮め、ピークから2.6ポイント下がった。水準自体はまだ高いものの、ガソリンや中古車などモノの価格下落は鮮明だ。需要の冷え込みで「CPIの上昇率は比較的早く4%まで下がる」(米債券運用大手ピムコのティファニー・ワイルディング氏)との期待が高まっている。
ワイルディング氏は「住居費などの低下はゆっくり進むため物価が2%に下がるまでは時間がかかる」としつつ、インフレ緩和と失業率の上昇を踏まえ「23年下期には利下げを検討する可能性がある」とみる。物価目標の2%にはまだ遠い状況でもFRBは景気配慮の姿勢を強めるとの見方が広がる。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
過去1年の長期金利の推移を振り返ると、昨年12月に跳ね上がりました。
これは日銀がサプライズで長期金利の変動幅の上限を従来の0.25%から0.50%に引き上げたためですね。
その狙いとしては「円安の修正」や「4月の日銀総裁交代に備えたもの」と言ったことがあったのでしょうけれど、これによって今年の金利上昇観測が一気に広がった感がありますね。
現在はイールドカーブコントロールによって金利が直接、日銀に管理されていますので、金利が上がるも下がるも日銀次第なわけですから当然ですが。
ただそうは言いつつ昨日の日銀の金融政策決定会合では、更なる追加利上げはなく無風で終わったことから長期金利は急低下しました。
とすると少なくとも今年いっぱいは日銀の金融政策に変化なし=金利は上がらないということで良さそうですね。
外部環境を見ても上記の通り、アメリカのインフレ率は一足早く下がり始めているほか、アメリカの利上げも年内には終了し、金融市場はむしろ「利下げ」すら織り込み始めています。
今年、利上げをするにも関わらず、22年末と23年末の政策金利が同じということは「利下げを実施するから」、というわけですね。
そのように考えると今年の日本の金利もまた「上がらない=変わらない」と感じますね。
繰り返しになりますが「結局は日銀次第」なのですけれど。
では今回の読者アンケートは、「現状の金融政策が維持される限り長期金利は-0.5%~+0.5%の間で動くことになりますが、現在+0.410%の長期金利は1年後に上昇すると思う?低下すると思う?」でいきましょう。投票は2月19日まで。
■【読者アンケート】現状の金融政策が維持される限り長期金利は-0.5%~+0.5%の間で動くことになりますが、現在+0.410%の長期金利は1年後に上昇すると思う?低下すると思う?(2月19日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1639
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