まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「トランプ氏に続き、バイデン大統領も来年の大統領選挙への立候補を表明しましたが、どちらもさすがに高齢すぎて心配です。あなたはどの候補を応援する?」では・・・
1位:バイデン氏 27%
〃:その他の民主党候補 27%
3位:トランプ氏 18%
〃:デサンティス氏 18%
5位:その他の共和党候補 9%
となりました。1位は「バイデン氏」と「その他の民主党候補」で3割です。なるほど。
バイデン大統領は高齢なので素直に支持しにくいけれど、とは言いつつ共和党の大統領よりは民主党の大統領の方が良い、ということですかね。
確かにリベラルである民主党の方がイメージが良いですし、LGBTへの対応であったり、温暖化対策であったり、ウクライナ支援などについても民主党政権の方が期待できます。
つまりは民主党は「優等生」です。
ただ一方で、共和党は確かにリアリストすぎるきらいはありますが、しかし経済重視&安全保障重視の保守政党ですから、日本の国益を考えるとむしろ共和党の方がいいのかもしれません。
トランプ大統領の時も、日米関係は決してマイナスではありませんでしたからね。安倍元総理の力が大きかったと言えそうではありますが・・・。
そうしたわけで、来年のアメリカ大統領選挙の結果、民主党大統領になっても共和党大統領になっても、メリット・デメリットの両方があるわけですが、どちらに転ぶにせよ、バイデン・トランプ以外の若い大統領の誕生に期待したいです。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは5月20日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1706
〔前回のコラム〕次のアメリカ大統領候補、誰を応援する?
--- Ginkou ---
米FRC破綻 預金流出、当局想定上回る
預金保険 顧客が不安視
https://www.nikkei.com/
米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)が1日に経営破綻した。シリコンバレーバンク(SVB)破綻後に米金融当局は預金の全額保護を打ち出したが、顧客から預金保険制度の限界を見抜かれて預金の流出を止めきれなかった。経営に不安を抱える地銀から大手行などへの資金流出圧力は根強く、銀行不安を鎮静化できずにいる。
3月のSVB破綻後、預金保険の対象外となる大口預金比率の高さや金利上昇で含み損を抱えた資産の大きさへの警戒感から、FRCは急速な預金の流出と株価急落に見舞われた。SVBより資産規模の大きいFRCも立て続けに破綻すれば、米国の金融システム不安は一段と制御が難しくなりかねない状況だった。
そうした危機意識からJPモルガン・チェースなど米大手11行が講じたのが計300億ドル(約4兆円)の預金をFRCに預ける措置だ。民間主導の救済を望んでいた当局の意向を踏まえ、JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)らが中心になって3月16日にまとめ上げた。
預金は当初、4カ月間は置く計画だった。その間にFRCが財務の立て直しなど抜本的な再建策に取り組む段取りを描いていた。だが、4月24日夕発表のFRCの2023年1~3月期決算で預金の急減ぶりや高金利の公的機関からの借入金急増が明らかになると、市場の不安が再燃。もともと落ち込んでいた株価は決算後さらに8割近く下がり、破綻への道を突き進んでいった。
当局や支援した大手行にとって誤算だったのが預金の流出だろう。FRCからは1~3月だけで4割超の預金が抜け落ちた。大手行からの300億ドルの預金がなければ、落ち込みはもっと大きかった。
預金急減の大きな要因は、破綻時に1口座あたり25万ドルまで保護する米銀の預金保護システムの対象を超える大口預金が多かったからだ。
FRCの預金保険対象外の預金比率は22年末で7割近かった。米当局はSVBと同時期に破綻したシグネチャー・バンクの顧客に対して預金を全額保護する特例措置を取った。他の銀行でも顧客が慌てて預金を引き出さないように落ち着かせるための措置だったが、FRCでは預金流出が膨らんだ。
背景には預金保険基金が潤沢とは言えない現状がある。米連邦預金保険公社(FDIC)はSVBとシグネチャー銀の2行の処理に伴い、預金保険基金に計225億ドルの負担が発生すると見積もる。最終的にJPモルガンが買い手になったFRCの破綻処理では130億ドルの負担を見込む。
22年末時点の同基金の残高は1282億ドルだった。基金の減少を穴埋めするため、FDICは加盟する銀行の払う保険料について、大手行を中心に引き上げる構えだ。それでも銀行破綻が止まらなければ、預金保険基金も底をつきかねず、「全額保護」がいつまでも適用されるとは限らない。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
経営危機が指摘され続けていたアメリカのファーストリパブリック銀行がついに破綻しました。3月のシリコンバレー銀行は数日で破綻してしまいましたので、ファーストリパブリック銀行は「もった方」と言えるのかもしれませんが、とは言え破綻は破綻ですので残念です。
シリコンバレー銀行も、同時に破綻したシグニチャー銀行も、預金は完全に保護されましたので、金融危機は収束したかに見えましたが、今回のファーストリパブリック銀行の破綻で再び混乱が再燃するのでしょうかね?
ただファーストリパブリック銀行はJPモルガンに吸収されましたので、預金についてはやっぱり完全に保護されることになりました。
この結果だけを見れば大きな混乱はなさそうですが・・・とは言いつつ、アメリカの預金保険の上限である25万ドルを超える預金を預けている人は、より信用力の高い銀行に預け替えをするのでしょうね。
ここまでのところ預金は全額保護されてきたとは言え、今後もずっと全額保護されるかどうかは分かりませんし、預け替えをするメリットはあっても、預け替えをするデメリットはほぼないと思いますので、今後も信用力の低い銀行からの預金流出は続いていくことになりそうです。
では実際にどういった銀行から預金が流出しているかと言えば、日経新聞の記事から引用するとこうなっています。
具体的な銀行名を見るとなかなか生々しいですが、これらの中ではファーストリパブリック銀行が突出していますね。
次はパックウエスト銀行、その次はウェスタンアライアンス銀行となります。
これらの銀行が破綻するのかしないのかはアメリカの当局の気持ち次第と言えます。流出した預金の分だけ、金融当局が流動性を供給すれば生き残りことができますし、供給しなければ生き残ることはできません。
また生き残ることはできない場合でも、今回のJPモルガンのように預金を引き受けてくれる銀行があれば、結果的には預金は全額保護されることになります。
そのように考えると、仮にあと数行破綻することがあったとしても、結局、預金は全額保護され、金融危機は続かず、収束すると予想されます。
・・・ちょっとアメリカの金融当局を信頼しすぎですかね?
いずれにしても、金利が再び下がり始めるまで、アメリカの銀行は頑張って生き延びてほしいものです。
そしてアメリカの金融危機がヨーロッパやアジアに飛び火しませんように・・・。
ということで今回の読者アンケートは、「ファーストリパブリック銀行はJPモルガンに救済合併されることで、金融危機を招かずに済みましたが、しかし預金が流出してるアメリカの地銀はまだまだありそうです。アメリカの金融危機は続くと思う?続かないと思う?」でいきましょう。投票は6月4日まで。
■【読者アンケート】ファーストリパブリック銀行はJPモルガンに救済合併されることで、金融危機を招かずに済みましたが、しかし預金が流出してるアメリカの地銀はまだまだありそうです。アメリカの金融危機は続くと思う?続かないと思う?(6月4日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1712
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