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食料自給率、気になる?

執筆者: ginko 発行日付: 2023-08-08

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「日銀はイールドカーブコントロールにおける長期金利の上限をこれまでの0.5%から1.0%に引き上げ、長期金利に上昇圧力がかかっていますが、長期金利は今後何%まで上昇する?」では・・・

1位:1% 56%
2位:1.5% 33%
3位:2% 11%

となりました。1位は「1%」で約6割です。なるほど。新しい長期金利の変動幅の上限は1.0%となりましたが、「そこまでは上昇する」「それ以上は上昇しない」ということで、言い換えれば「日銀はこれ以上は利上げしない」と読んでいることになります。

今のところ長期金利は0.6%前後で推移しており、「1%上限にずっと達する」というような状態にならなければ、日銀の利上げはこれで打ち止めとなる可能性がありますね。

そのカギを握るのはインフレ率ですが、日本のインフレ率は高止まりする一方で、世界経済の中心であるアメリカはインフレ率が徐々に低下しています。こうした傾向が世界に広まっていくようであれば、日本のインフレ率も早晩低下を始めそうです。

インフレ率が低下を始めれば・・・金利はやはり低下していくのでしょうね。

そのように考えると読者のみなさんの予想通り「1%」というのが今のところ一番可能性が高そうです。

とは言いつつ経済は何が起こるか分かりませんからね。インフレ率がずっと高い状態が続けば、長期金利の上限が1%→1.5%→2%と引き上げられていくことになりそうです。そこまで行けばもう、イールドカーブコントロールそのものが不要と言えるのかもしれませんが。

いずれにしても預金金利が多少なりとも上昇することを期待したいですね。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは8月26日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1775

〔前回のコラム〕
長期金利は何%まで上昇する?

 --- Ginkou ---

食料自給率、昨年度も38% カロリーベース 生産額は最低58%
https://www.nikkei.com/


農林水産省は7日、2022年度のカロリーベースの食料自給率が前年度と同じ38%だったと発表した。依然として低い水準で推移している。生産額ベースの自給率は5ポイント低下の58%となり、比較可能な1965年度以降で最低を更新した。

国際的な穀物価格の上昇や外国為替市場の円安傾向などで輸入額が増えたことが響いた。

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

筆者が幼少のころは色々な「社会危機」が叫ばれ、純粋だった筆者はそのいずれにも心を痛めていたわけですが、そうした「社会危機」の1つが食料自給率の低さでした。

要するに食料自給率が低いと、何かが起きて食料の輸入がままならなくなった場合に、みんな飢えて死んでしまうリスクがあるわけですね。

そうならないよう、「田を守れ!」「コメは1粒たりとも輸入するな!」「牛肉・オレンジ輸入自由化反対!」と言ったガチガチの保守スローガンが叫ばれたのでした。

しかし今は昔、そうしたスローガンを一切聞かなくなって久しいですね。

それは食料自給率が向上し、危機が解消したから・・・なわけはなく、上記記事の通りカロリーベースの自給率は38%と依然低いです。

念のため食料自給率の推移をチェックするとこうなっています。



むしろ80年代・90年代より食料自給率は明らかに下がっていますね!危機は深刻化していると言えます。

それでも自給率の問題が語られなくなったのは・・・要するに農家の数が減って、政治パワーが失われ、ことさら日本の農業を守る必要がなくなってきたということなのでしょうね。

つまりは食料自給率に関わるスローガンは全て完全に政治的なものだったということです。

こんなことばかりしているから、政治は信用されないんですよね。

それはともかくとして、食料だけでなく資源・エネルギーなど多くのものを海外に依存している日本にとっては、どの輸入がストップしても死活問題であり、ことさら食料にフォーカスするのはナンセンスということでもあるのでしょう。

とは言いつつ、風呂に1ヶ月入らなくても死にませんが、メシを1ヶ月食べられなければ死にます。おそらく。

その点では安全保障の観点からも食料自給率は一定割合は確保した方が望ましいと言えます。ちなみに世界各国の食料自給率の比較はこうなっています。



やはり日本は低いですねぇ。どこが目標たりえるのかは分かりませんが、同じ島国であるイギリス72%は参考になりそうです。

カロリーが70%確保できれば死ぬことはないのではないですかね?詳しくは知りませんが。

人口減少によって農地にできる土地は増えているのかもしれませんし、そもそも人口が減れば生産カロリーはそのままだとすると、必然的に1人あたりのカロリーの取り分は増えることになります。

折からの円安で日本の農産物の価格競争力も向上しているでしょうしね。食料自給率がそろそろ反転することを祈りたいと思います。

では今回の読者アンケートは、「食料自給率は下がり続けて38%とのことですが、何も騒がれなくなりました。食料自給率の低さは気になる?気にならない?」でいきましょう。投票は9月8日まで。

■【読者アンケート】食料自給率は下がり続けて38%とのことですが、何も騒がれなくなりました。食料自給率の低さは気になる?気にならない?(9月8日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1779

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