まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「ドル円相場は145円台と9ヶ月ぶりの円安水準となり、この流れは当面続きそうですが、歴史的な円安のもとあなたはどう投資する?」では・・・
1位:外貨建て資産を売却する 36%
2位:様子見、投資はしない 27%
3位:外貨建て資産に投資する 18%
〃:円建て資産に投資する 18%
となりました。1位は「外貨建て資産を売却する」で約4割です。なるほど。確かに既に外貨建て資産を持っている場合、売却して「安い円」を買うのは合理的です。
とは言いつつ、円安がさらに進むかもしれませんし、日本円に変えても有効な投資先がないという問題点もありますね。
そうしたわけで筆者は今のところ外貨建て資産を売却するという選択肢は考えてないですね・・・。
もちろん、円安が定着するのであれば、輸出競争力が増す日本株に投資するというのはアリかもしれませんが。
ただ回答結果を見ると全体的には分散しています。あえて「外貨て資産に投資する」という方も一定数いますね。
結局のところ、為替相場の先行きを予想するのは難しく、それぞれがそれぞれの相場観で動くしかないということですね。
筆者も本当、このタイミングで円安になるとは想像だにしていませんでした。為替相場は難しい!!
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは9月16日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1784
〔前回のコラム〕どうする円安!
--- Ginkou ---
波立つ中国リスク、不動産発ドミノ危機 試される地力
https://www.nikkei.com/
日本時間の18日朝、苦境にある中国不動産市場を象徴するニュースが舞い込んだ。経営再建中の不動産大手、中国恒大集団がニューヨークで破産を申請したのだ。動揺は同日の東京株式市場にも波及。資生堂など中国関連株が下落し、日経平均株価の終値は3万1450円76銭と2カ月半ぶりの安値に沈んだ。
中国国家統計局によると23年4〜6月の実質国内総生産(GDP)は季節要因をならした増減率が前期比0.8%増と、持ち直しに急ブレーキがかかった。GDPの3割を占めるといわれる不動産市況の低迷が要因だ。7月の不動産販売面積は前年同月比24%減と苦境が目立つ。
景気低迷は一時的か、長期に及ぶのか。市場では「中国はデフレなのか」という議論もよく聞かれるようになった。7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.3%下落と2年5カ月ぶりに低下。中国人民銀による家計が物価を予想する指数も7年ぶりの水準に落ち込む。
不動産市況の悪化の裏には急速な少子高齢化という構造問題も見え隠れする。物価の下落が続けば、不動産市況を発端に長期に停滞する「ドミノ危機」に突入しかねない。学習院大学の渡辺真理子教授は「人口動態に加え、民間と政府を合わせた債務の大きさが大規模な財政政策の足かせになる」と懸念する。
なお楽観論もある。「良くも悪くも中国は意思決定が早い」。岡三証券の久保和貴・上海事務所所長は指摘する。事実上の一党独裁体制の中国はバブル後の不良債権処理に手間取り長期低迷に陥った日本と異なり、機動的な政策を打てるとの見方だ。人口14億の巨大市場の地力も企業をひき付ける。良品計画は厚みを増す中間層を取り込むため、マクロ環境の低迷の中でも出店を加速する。
米モルガン・スタンレーは「投資家は、Debt(債務)、Demographics(人口動態=少子高齢化)、Deflation(デフレ)の『3D問題』で現代の中国と1990年の日本には多くの類似点があるとみている」と指摘する。
中国は日本と同じ轍(てつ)を踏むのか、それとも一党独裁の強い力で日本と違う道を歩むのか。国際通貨基金(IMF)は26年の中国の成長率が3%台に低下すると予想する。長期停滞という「日本化」が現実となれば、共産党の求心力にも影響を与えかねない。中国経済は大きな岐路に立っている。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
経営危機が表面化していた中国の不動産大手である、中国恒大集団ですが、ついにニューヨーク市場で破産を申請しました。最近の中国の不動産不況を象徴する出来事ですね。負債の額が5000億円でも5兆円でもなく50兆円(48兆円)ということですから壮大です。
足元の中国での不動産販売面積はこのように推移しているようです。
2年前の7月には1.3億平方メートル程度売れていたところ、昨年の7月は0.9億平方メートル程度、今年の7月には0.7億平方メートル程度ということで、2年でおよそ半減しています。こんなに減れば不動産会社が倒産するのも当然ですね。
恒大集団のみならず、他にも倒産する会社が出てきそうです。
加えて懸念となってくるのが、こうした不動産不況が一時的なものではなく、「構造的」なものではないかという点です。
中国は一人っ子政策の名残で少子高齢化が急速に進んでいますからね。子どもの数が減れば不動産の需要が減るのは必然です。
さらにタイミングが悪いことに、中国の7月の物価指数はマイナスと、2年5ヶ月ぶりに下落、つまりデフレとなりました。上記記事にもあるように、今の中国について投資家が
・Debt(債務)、Demographics(人口動態=少子高齢化)、Deflation(デフレ)の『3D問題』で現代の中国と1990年の日本には多くの類似点があるとみている
と感じるのも自然なことかと思います。 実際のところ筆者もものすごく既視感があります!
ただそうは言いつつ共産党一党独裁の国ですからね。
・バブル後の不良債権処理に手間取り長期低迷に陥った日本と異なり、機動的な政策を打てる
という楽観論が出てくるのも自然なことかと思います。何度もチャイナリスクが叫ばれながら、これまでのところ、中国共産党はうまく立ちまわっている印象があります。
しかしながら急成長がいつか終わるのは間違いありません。その時にソフトランディングできるのか、ハードランディングしてしまうのかは気になるところですね。
どちらにしても中国経済の曲がり角には日本経済も大きな影響を受けるわけですから、何とか持ちこたえてほしいものです。
ということで今回の読者アンケートは、「48兆円の負債を抱える中国の不動産大手、恒大集団が破産し、中国の不動産不況が鮮明になる中で、7月の消費者物価指数がマイナスとデフレになるなど、中国経済の「日本化」が懸念されています。このまま中国は「失われた10年」に入っていくと思う?」でいきましょう。投票は9月23日まで。
■【読者アンケート】48兆円の負債を抱える中国の不動産大手、恒大集団が破産し、中国の不動産不況が鮮明になる中で、7月の消費者物価指数がマイナスとデフレになるなど、中国経済の「日本化」が懸念されています。このまま中国は「失われた10年」に入っていくと思う?(9月23日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1789
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