まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「読売新聞に掲載された植田日銀総裁の発言内容により、マイナス金利解除がクローズアップされていますが、マイナス金利は半年以内に解除されると思う?」では・・・
1位:半年以内には解除されないと思う。 55%
2位:半年以内に解除されると思う。 45%
となりました。1位は「半年以内には解除されないと思う。」で約6割です。なるほど。
個人的にもマイナス金利を解除すると、住宅ローンの変動金利が上がってしまいますので、現役世帯のフトコロを直撃します。よっぽどのメリットがないとやらないのかなという気がしますね。
コントロールできないほどのインフレになればそうやって経済に冷や水をかけるのも大事かもしれませんが、今のところそうではないですしね。賃金が上がらないと更なるインフレは起こらなそうです。
それ以外のメリットは「円安対策」ということになりますが、ただ植田総裁のインタビューが出てちょっとだけ円高になったものの、そのまますぐに円安に戻りましたので、副作用のリスクを犯してまでマイナス金利を解除しても、円高効果が限定的となったら笑えません。
そもそも、為替相場に影響があるのは長期金利でしょうから、マイナス金利をいじるくらいなら、長期金利を引き上げた方がはるかに効果がありそうです。
と言うわけで筆者はマイナス金利がすぐ解除されることはないような気がしますが、果たしてどうなのでしょうね?
日銀が予想に反して利上げを次々と実施してきた点を勘案すれば、意外とマイナス金利解除は早いのかもしれませんが・・・。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは10月13日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1803
〔前回のコラム〕マイナス金利は解除される?
--- Ginkou ---
基準地価回復、地方に波及 全国4割超で上昇
https://www.nikkei.com/
国土交通省は19日、2023年の基準地価を公表した。全用途の土地の上昇割合が全国の44.7%に上り、新型コロナウイルス禍で沈んだ20年から倍増した。
全用途の全国平均の前年比上昇率は22年の0.3%から1.0%に拡大した。下落が続いていた地方圏もプラスに浮上し、地価全体を底上げした。特に住宅地は31年ぶりにプラスとなり、堅調な住宅需要を映した。
上昇の起点となったのは景気を映しやすい都市部だ。三大都市圏で上昇した地点の割合は、新型コロナの影響が出た20年時点の33.5%から23年は80.8%に高まった。
住宅需要はなお強い。三大都市圏の住宅地の上昇率は19年の1.0%から2.2%に拡大した。大和ハウス工業のマンション事業本部・角田卓也部長は「再開発などで将来の資産性が期待できる物件で高収入層を中心に安定的な購入が続いている」と明かす。
低金利下で安定した収益が見込める都市部の不動産に海外から投資マネーが流れ込んだことも下支えとなった。
ニッセイ基礎研究所金融研究部の佐久間誠・主任研究員は「インバウンド増加などコロナ禍からの回復に伴う追い風はおおむね出尽くした。今後は金利状況などで上昇率が鈍化する可能性がある」と分析する。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
2023年の基準地価が発表されましたね。全用途の土地の上昇割合が44.7%ということでこれが多いのか少ないのかは分かりませんが、以下のようにまとめてみれば、全ての項目でプラスということになります。
特に地方圏の住宅地は31年ぶりのプラスということですね!31年前っていつでしたっけ・・・。
確かにすべての項目がプラスとなっていますね。全国の+1%や、三大都市圏の+2.7%はかわいいものですが、地方4市の+8.1%はかなりバブル臭がします!
とは言いつつ世の中全体がインフレ傾向となっていますし、金利はまだ低いままですし、さらには円安で海外マネーも入りやすくなっているわけですから、こうした地価上昇傾向はまだまだ続きそうですね。
そもそも地価は2013年のアベノミクス開始以降、概ね上昇してきたわけですから、かれこれ10年右肩上がりだったことになります。
このモーメンタムはインフレと同じく、かなりしつこく続いていくのではないでしょうか。
仮にまだまだ地価が上がるのであれば不動産に投資妙味が出てきますが、一度下がり始めたらこれまたかなり長く下がり続けそうですから、あまりお勧めはできそうにないですね。
ちなみに不動産が下がるキッカケとなるのは、「金利上昇」か、金融危機などに伴う「貸し渋り」のどちらかでしょうね。
どちらも今のところ可能性は低いですが、ただ経済危機は概ね10年に1回起きています。2020年のコロナショックが最新の経済危機だとすると、2030年ごろには次の危機が起きていよいよ地価が下がるのかもしれません。
先を予測するのは不可能ですが、とは言いつつ地価が永遠に上がり続けることはないと思いますので、投資家としてはリスクとリターンの両方を見極めたいところです。
では今回の読者アンケートは、「地方圏の住宅地が31年ぶりに上昇に転ずるなど、2023年の基準地価は全面高の状態ですが、こうした地価上昇はいつまで続く?」でいきましょう。投票は10月20日まで。
■【読者アンケート】地方圏の住宅地が31年ぶりに上昇に転ずるなど、2023年の基準地価は全面高の状態ですが、こうした地価上昇はいつまで続く?(10月20日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1808
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