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「年収の壁」問題、気になる?気にならない?

執筆者: ginko 発行日付: 2023-09-27

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「地方圏の住宅地が31年ぶりに上昇に転ずるなど、2023年の基準地価は全面高の状態ですが、こうした地価上昇はいつまで続く?」では・・・

1位:分からない、見当つかない 40%
2位:5年 30%
3位:3年 20%
4位:すぐに終わる 10%

となりました。1位は「分からない、見当つかない」で約4割です。確かに地価上昇がいつまで続くのか全く見当つかないですね。

以前は「オリンピックまで」という予言をみんな何となく信じていましたが、東京オリンピックが終了してから2年が過ぎた今も地価は順調に上昇しています。

むしろ加速しているでしょうか?

その背景にあるのは日銀の異次元緩和であるのは間違いありません。2013年に異次元緩和が開始されてから、特にマンション価格は右肩上がりで上がっていますからね。「金余り」と「低金利」が需要を刺激したということです。

加えて、低金利の副産物である「円安」も不動産価格上昇に寄与したものと思います。ドルベースで見れば日本の不動産価格はそれでも随分下がったでしょうから、外国人の投資を呼び込む効果もあったのではないかと思います。

言い換えれば、「異次元緩和が終わる時が地価上昇の終わる時」と言えるのかも・・・しれませんね。

庶民からすれば不動産価格が下がってくれるのはウェルカムですが、しかし日本経済全体から見れば、「バブル崩壊」につながるかもしれませんので、あまり楽観的にはなれません。

日銀はいつ、異次元緩和を終わらせるのか・・・影響とリスクが大きいだけに難しい判断となるのは間違いありませんね。

日銀の総裁だけにはなりたくないものです。恨まれこそすれ、感謝されることはなかなかないでしょうからねぇ。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは10月20日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1808

〔前回のコラム〕
地価上昇はいつまで続く?

 --- Ginkou ---

「年収の壁」130万円超、2年まで扶養に
https://www.nikkei.com/


年収が一定額を超えるとパート労働者らの手取りが減る「年収の壁」問題を巡り、厚生労働省は年収130万円を超えても連続2年までなら扶養にとどまれるようにする方針を決めた。2025年に予定する5年に1度の年金制度改正までのつなぎ措置とし、10月から実施する。

近く発表する年収の壁対策のパッケージのひとつに位置づける。

厚生年金の適用基準となる106万円の壁への対策も講じる。扶養から外れた労働者の社会保険料を手当の支払いなどで支援した企業に新たに助成する。この場合の手当は社会保険料の算定対象となる標準報酬月額には含めない方針だ。

厚生年金の被保険者に扶養されている従業員100人以下の企業のパート労働者らは現在、年収が130万円を超えると社会保険料を自ら払う必要がある。

年収が130万円を超えても扶養にとどまれるようにするため、厚労省は雇用主が一時的な収入増だと証明し、健康保険組合などが個別に判断する仕組みをとり入れる。手続きのための書類作成も簡素にし、雇用主らの負担軽減につなげる。

106万円の壁は従業員が101人以上の規模が比較的大きな企業で働くパート労働者らに社会保険料の負担が生じる境目となっている。厚労省は壁を越えても手取りが減らないように賃上げをしたり、勤務時間を延ばしたりした企業に1人あたり最大で50万円を助成する方針だ。

今回はあくまで時限措置との位置づけで、働き方に中立な制度への移行が急がれる。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

日本だけでなく、先進国全体で労働力不足が指摘されていますね。コロナによって働き方が変わったのか、着実に進む高齢化によって労働市場から退出する人が増える一方なのか・・・恐らくどちらも理由なのでしょう。

人手不足は飲食業界や介護業界などに留まらず運送業界にも波及し、運転手がいないのでバスを減便せざるを得ない状況にもなっているようです。

そうした労働力不足に対応するために、

・省人化、合理化、自動化

・外国人材活用

は待ったなしですが、加えて重要なのが「女性・シニアの活用」ですね。

筆者はワーカホリックですので、みんなどんどん働けば、社会とのつながりができて、心身の健康が図れて、さらには経済的な余裕までできて「良いことづくめ」というスタンスですが、そうした労働力活用の壁になっているのが「年収の壁」問題です。具体的にはこういうことです。



つまりは年収が103万円~150万円のゾーンにある場合は、収入が増えても逆に所得税や社会保険料によって手取りが減ってしまう、勿体ない状況が発生するわけですね。

しかも103万円~150万円というのは月10万円前後ということですから、パート・アルバイトの方々にとってはかなりドンピシャな金額ですね。

とすると多くのパート・アルバイトの方々に「月収が10万円前後に抑えよう」というかなり明確な動機が生まれることになります。 実際にそのような方は60万人近いとか。

60万人・・・多いような少ないようなですが、無視できない人数であるのは間違いありません。

そもそも「年収が増えると損をする」という制度自体がおかしなものですね。抜本的に解決を図るとすれば

・年収に関わらず所得税・社会保険料が発生し、配偶者の特別控除を無くす

という「増税寄り」の改修を行うか、

・所得税・社会保険料の増加率、配偶者の特別控除の減少率を低くし、年収の壁をできるだけ低くする

という「減税寄り」の改修を行うか、の二択となるのでしょうね。現実的には後者となるのでしょうけれど。

とは言いつつそんなにすぐ制度変更はできないということで、上記の通り当面は最大50万円の補助をして年収の壁を無くしつつ、2年後=2025年に改定を目指すということのようです。

どういう形になるにせよ、シンプルなものになることを期待したいと思います。

では今回の読者アンケートは、「年収が103万円や130万円を超えると税や社会保険によってかえって手取りが減ってしまう「年収の壁」が問題になっていますが、この問題気になる?気にならない?」でいきましょう。投票は10月27日まで。

■【読者アンケート】年収が103万円や130万円を超えると税や社会保険によってかえって手取りが減ってしまう「年収の壁」が問題になっていますが、この問題気になる?気にならない?(10月27日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1813

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